これは「君の手」の続編です。

知らんぷり













「何で目そらすの。」







とっても切ない声でそう言われたのは

昨夜、ベッドの中だった




だって陽一があんまり熱っぽい瞳で

私を見下ろすから

かっこよくて、恥ずかしくて、

思わず目をそらしてしまった













・・・ねぇ








私が今、目を覚まして

こっそり隣のあなたを盗み見してること

気付いてる??





あなたは先に目を覚ましてて

天井を見つめて

何かを考えてるみたい




時々何かを呟くように唇が動いて

鼻で溜息をつく

あなたが考え事してる時のクセ、だね



その真剣な横顔が

すごくすごぉく好きなんだよ












そんな真剣な顔で、

何を考えてるの???














「陽一。」

「・・・」

「よーいち!」

「!・・あぁ、美樹おはよう。」

「おはよう。ね、今何考えてたの?」

「ん?」

「今、何か考えてなかった?真剣な顔してた。」

「いや、昨日のさ・・・」

「うん。」

ちゃんの事。」




「・・・」




何それ・・・




私との夜

あんなに甘かったのにな

何で他の女の子のこと考えるかなぁ・・・











「苦労しそうだよね、ちゃん。」

「・・・うん。」

「相手がてっちゃんじゃねぇ・・・。昨日はあれからどうなったんだろう?」

「・・・さぁ。」

ちゃんはてっちゃんにはもったいないよね。感情を出すのは苦手みたいだけど

いい子だしさ。」

「・・・・そうだね。」

「人って絶対我慢しすぎると爆発するからさ、たまに話聞いてあげないとね。」

「・・・・。」

「ね?美樹?寝ちゃった?」








私が聞くんだよね?

陽一が聞いてあげるんじゃ、ないよね??











「・・・起きてる。」

「ん。でさ、今度ちゃん家に呼んだげようよ。美樹のおいしい料理食べさせてあげようか。」

「・・・うん、そうだね。」

「俺考えたんだけどね、何でちゃんてっちゃんが好きなんだろうね。」

「え・・・」

「何であんないい子がよりによっててっちゃんなんだろう。」




それ、どういう意味??




「・・・は・・・村上さんの強いところが、好きだって。」

「ふうん。」

「・・・どうしても、自分と同じで、強がってる部分が、判るって言ってた。」

「あぁ、なるほどね。」

「・・・・・・」











そんな真剣な顔、しないでよ

私の大好きなその顔で、

他の子のこと、考えないで・・・














さみしいよ・・・





隣にいる陽一が


昨日、あんなに愛してくれた陽一が


今、私以外の女の子の事考えてるなんて


なんか凄く、嫌だな・・・




















くるり








「美樹?」








私はつらくなって、つらくなって

寂しくなって

ついに寝返りをうって

陽一に背を向けた







「美樹?どうした?」







しらんぷり







「みーき!寝ちゃった?」







しらんぷり







「・・・おかしいな。」







独り言を言う陽一

でも、しらんぷり










私のこと考えてくれるまで


しらんぷり、してやるんだ













うそ・・・


本当は、私の事一番に考えてくれてるの

判ってるよ





けど、何だか今日は許せない







何で私の隣で、私がいるのに


私を見て、私のこと考えてくれないの???











少しわがままさせてよ


陽一が悪いんだよ











目が醒めたら、まっさきに見つめて





『おはよう美樹。』    って








『愛してる・・・』    って














言ってほしかったなぁ























隣で陽一は起き上がって

服を着て身支度をし始めた






何よ・・・





もっとかまってくれたっていいじゃないよぉ










ますます怒れて、ずっと寝たふりしてやろう

今日はおみそ汁だって作ってあげないんだから



















そんなことを考えながら

ぎゅっと目をつぶろうとしたら

服を着終わった陽一は

私の前にまわって、しゃがんで私を覗き込む








「何だ、起きてるじゃん。」




しらんぷり




「何怒ってんの?」




しらんぷり




「ねぇ美樹さ、もしかして俺がちゃんの事考えてたから怒ってる?」




し、しらんぷり




「あ、大正解?」




し、しらんぷり!




ちゃんを家に呼ぼうって言ったのは、てっちゃんも、他のメンバーも一緒だよ?」




・・・???




「5人で話してたんだよね。彼女連れて俺の家でパーティーでもしようかって。」




・・・・。




「けど、てっちゃんだけ彼女いなかったからずっとできなくってさ。」




・・・・。




「美樹?わかった?」




・・・・・・・




「・・・・・美樹、今ね。」









「美樹が言って欲しい事、当ててあげようか?」




・・・・。


























「おはよう、美樹。」




「!」




「愛してる。」





























・・・大正解。

















正解したご褒美に







美樹特製の、陽ちゃんの大好きな







おみそ汁を作ってあげましょう。


























○●Thank you very much!!●○



2000hit踏んでくださった美樹さまへ!
お待たせしました!最初のベッドの中のシーンが思い浮かんで、そして一気に書けましたよ。
美樹さんシリーズ(仮サブタイトル/笑)、今回は「ちょっとしたヤキモチからのケンカ」という
リクでした☆いかがでしょうか?美樹さん。なんか短くてごめんね><
とにかく美樹さんシリーズ第5弾でございます!!いつもいつもありがとう美樹さんv
けどこのシリーズ、1から読まないとちょっと話が判らなくなってるので 本気でサブタイトル考えてます!
キリリク作品集のページを見て、一目で「あぁシリーズなのね」 って判るようなサブタイトルを
メールにて募集中!(笑)


キタマニの美樹さんへ>>

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