発展途上











発展途上なのかな?




あと一歩・・・というより

あと5.6歩はありそうな



そんな僕ら





リーダーに言わせれば

「面白くねえ・・・」んだそうな




一般的に言う面白いことというのが

僕らに起こらない








「じゃ、雄二、帰るね。」

「おう。」

「明日も晩ご飯作ろうか?」

「ありがたい。」

「部屋のそうじはオフの日にね。」

「はいはい。」

「雄二もやるんだよ?」

「はいはいはい。」

「じゃぁね。」

「おう。ありがとうな。」

「いえいえ。オヤスミ。」


ガチャン






重い扉が閉まる




せめてマンションの下まで送る事ができれば

俺とその彼女、亜里の関係は変わるだろうか?



発展途上は毎度のこと

でも今回は少し発展が遅すぎる





もしずっと「面白い」ことが起こらなくても





僕らはちゃんと恋人同士と呼べるだろうか







そんな考えばかり先走って

亜里への想いは増えてゆくばかり


焦がれて焦がれて


走り続ける











明日も来ると言ったな?


言ったよな?


チャンスを伺う飢えた男子学生のようにはなりたくないな




サラリといけるはずだ





この遅鈍で目隠しのような愛







僕らは一体どこへ行く・・・?









どこへ・・・











ピンポーン



「!!!」


唐突なインターホンに驚いて

持っていたカップを落とそうとする


こんな時間に誰だ?




「雄二ー。私!」

亜里!?さっき帰ったじゃないか




がちゃん!!




今の今まで頭の中にいっぱいだった

亜里の訪問に、俺はついにカップを落とした




「お、おう。入れよ。」

「ごめんごめん、私忘れ物しちゃって。ねぇ、今の音なに・・・、!! ちょっと雄二なにそれ!?割れてるじゃない。」

「あ、あぁ。今落とした・・・。」

「ケガしてない??」

「大丈夫大丈夫。」

「片付けるね。」

「いや、いいて。亜里忘れ物取りにきただけだろう?遅くなるから帰れよ。」

「いいよ。雄二がへたに片付けるとケガするから。」

「そういうことじゃなくてさ・・・」

「ちりとりは?」

「亜里・・・」

「ホウキとちりとりは?ないの?」

「いや、あるけどさ・・・」

「どこ?持ってきてくれる?」

「・・・・お、おう。」










押しの弱さは誰にも負けないってほど弱いんじゃなかろうか?




そんなことで人に勝ってもしょうがないのに









「ほら、ホウキ。」

「ありがとう。」


丁寧に片付ける彼女の横顔を少し離れて見つめる


耳にかけたキレイな髪がすべりおちるのを見た


「亜里、忘れ物って何だ?」

「・・・あぁ」


彼女はおかしそうにくすりと笑う


「あれね、うそだよ。」

「うそ?なんで?」

「・・・もう少し、雄二といたかっただけ。」




俺と・・・?




「いい口実ができたな。・・・コレ。」







と言って彼女は割れたカップのカケラたちを指差した








チャンスというのはこういうものかと思った



しかしそれ以上に俺の情熱は舞い上がって

とんでもない感情が湧きあがる

割れた破片があやしく光る







その時俺のなかに理性というものが存在していたとすれば

割れた破片に触れないようにという反射的な動きだけだ






けれど彼女の赤い血が見たいと思うほどの





歪んだ想いすら生まれてた









「ゆうじ・・・っ」





彼女の唇をふさいだところまでは覚えてる





熱い、熱いものを感じてた





離したくないって想ってた







帰したくないって・・・・想ってた













「どうして、今までなんにもしなかったの?」

「亜里が、嫌がるかと思って。」

「・・・嫌じゃないのに。」





そう言ってゆっくり美しく目を伏せた





「雄二が、そういうつき合い方なら、ゆっくり、ゆっくり、後ろをついていこうって思ったの。」

「・・・・そうか。」







じゃぁ、こちらの愛にもついてこられるか?



どちらも僕らで、どちらもふたりで、どちらも









本物の愛、だろ?
























○●Thank you very much!!●○



900hit踏んでくださったプライマルさまへ!
お待たせしました☆「Slow Luv」をテーマにというリクでした。
いやぁ、酒井氏の作った曲って難しいですね!
この曲は3番目くらい好きなんですけど、歌詞がむずかしくって・・・
いかがでしょうか??プライマルさん。
書き始めてからはけっこうトントントンと書けました(^^


プチサカイストのプライマルさまへ>>






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