や さ し さ は い つ も 、













僕の、自分のきらいなところは
”女性へのやさしさ”だ



と言うと、
なんだかとても自惚れているように聞こえるかもしれない
でも自分の無責任なやさしさに、僕はいつもうんざりするのだ



困っている人を見たら声をかけ、
自分にできることがあればできる限りして、
笑顔を絶やさず、人を褒め、他人の痛みを受け止めよう

どれも小さな頃から親に言い聞かせられてきたことばかり
それはどれも当たり前なことで、正しいはずなのに
なぜそれがときに、人を傷つけるのだろう。






「北山くんは、残酷だね」


いつだったか、そう言われたことがある

思ってもみなかった言葉に
僕はなんと返していいのかもわからずに見つめていると
その子は下唇をかむと、涙が見えるか見えないかの瞬間に
くるりと踵を返して走り去ってしまった

その顔が、恋に傷ついた女の顔だと
気付いたのはその更にあとで、
それに気付いたその時は、
自分のしてきたことが真っ向から覆された瞬間だった

自分のやさしさが、ひとりの”友達”を傷つけ
日々、その傷をえぐりつづけていたなんて


その子にとっては僕は友達なんかじゃなかった、というだけで












「やさしいんだね」


僕がそっと打ち明けると、彼女はやさしく言った


「仕方がないよ。恋は、実るか敗れるか、どちらかしかないんだもの」

「わたしはたまたま実ったけれど、もし逆なら傷ついてた」


彼女の言葉に、僕はムキになって応える




「君を傷つけるはずない。君だけは・・・」




そう言うと、彼女は僕の言葉をそっと受け取り
それをしっかりと体に取り込むように、
しあわせそうに、呼吸をして、僕を抱きしめた


そうか
守るべきものはいつもただひとつなんだ
僕が他のすべての女性を傷つけないようにすれば
たったひとりの君を傷つけてしまうことになる




やさしさはいつも正しいけれど、
恋をしながら、いつも正しくいるのは不可能なのだ。















シリーズみたいになってきましたがまたできました。
今度は北山さんバージョン「弱点」をテーマにやってみました。
人のやさしさは、必ずしも正しい形で受け取られない。
恋や愛が絡めば余計、です。





photo [Coco]

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