放っておけない












「安岡さん!安岡さん!!」



「ん〜〜・・・」








やばい・・・


これ完璧につぶれてるよね






眠ってる人の体って本当に重い


腕一本動かすのに一苦労だよ・・・











「安岡さん飲み過ぎです!!起きて!」


「ん〜・・・んなこたぁない!まだイケますよぉ〜・・・」


「いきません!ていうかイカせません!!」


「いやぁ〜ん、ちんのエッチ〜・・・」


「そ、そういう事じゃなくて・・・」







また寝ちゃった!もう!




 


あぁ、もう


こんな事になるならついてこなきゃよかった




道で偶然会って


晩ご飯一緒しようかってつきあったのに


まさかこんなになるまでつきあうハメになるなんて・・・














・・・陽一に電話しようかな











       −いや、やめよう。









あんなこと言われた後じゃ





陽一はちょっと呼べないよね














30分前―








「え?・・・何、つきあってんの?」


「?はい。」


「北山と?」


「はい。」


「・・・え、だってこないだみんなで飲んだ時は全然そんな・・・」


「あ、はい、あの時はまだ秘密にしてたっていうか・・・」


「あ・・・あぁ、そうなんだ。」


「はい。あの、知らなかったんですか?」


「・・・」


「あ・・・怒っちゃいました?隠してたこと。私、てっきり陽一が言ったものとばかり・・」


「・・・」


「安岡さん?」


「・・・隠してたことよりも、俺は・・・北山に・・・」


「陽一に?」


「・・・北山に言ったのにな。」


「何を?」


「俺、ちゃんの事、好きかもって・・・」


「・・・え」







そう言ったきり


安岡さんのお酒のスピードは増して








それで、、、





今に至ってる











私だって突然そんなこと言われて


どうしたらいいか判らないのに


何も言わせず眠っちゃうなんてずるい








もっとも




気持ちにこたえることは、できないけれど・・・











ちゃぁ〜ん・・・」


「何ですか?」




テーブルにつっぷしたまま安岡さんが話し出す




ちゃん、俺さぁ・・・」


「はい。」


「俺、マジでぇ。」


「はい。」


「俺ね、マジだったんよ?」


「・・・安岡さん。」


「今、気付くのもぉ、なんか・・・遅すぎて俺らしいっつぅかさぁ。」




おかしくなさそうに、彼は口元だけで笑う




「・・・」


「ほんっと〜に・・・俺、ちゃんのこと、ほんっきれ・・・」







   −ダンッ!!







安岡さんが拳でテーブルを叩きつけると




周りのお客さんが何人かこちらを見やった














・・・やばい











彼の立場上、これ以上この状態で飲ませるわけにはいかない








仕方なく




私の部屋までタクシーをとばした


























私は酔った安岡さんを支えながら


自分の部屋の玄関の前で立ち止まる





こんなこと、陽一が知ったら何て言うだろう・・・





いくら酔ってるからって


陽一以外のヒトを部屋に入れるの??





知れたら絶対に


『どうして俺に電話しなかったの』


って、言われるに違いない





安岡さんの突然の告白を意識して


できなかったとは・・・言えない














その時、安岡さんの体がぐらりと揺れて





地面に崩れた





「安岡さん!大丈夫!?」


「い・・・ってぇ。」


「ごめんなさい、ぼーっとしてて・・・ほら、肩つかまって。立てますか?」


「・・・っ」


「・・安岡さっ」


「・・・んだよっ、迷惑なら迷惑って言えよ!!」


「え・・・?」


「俺なんか嫌いだって・・置いて帰ればいいだろ!?」










彼の頬にははっきりと、





涙がこぼれていた











ちょっと前に、陽一が笑いながら言っていた





『ヤスは酔うと泣くからね。飲んで泣き出しても最近じゃ誰も気に止めないよ。』











・・・でも





でも今の私の胸の奥を


小さな罪悪感がチクリとさす











「・・・」














ごめん 陽一

















私、今夜は










安岡さんを放っておけそうにない
























ガチャ、、、







「入って。」

































※ページを閉じて下さい。

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